万引き対策等による商品ロスを防止する私服による店内保安警備の専門会社株式会社 日本保安(千葉県千葉市中央区)

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第10話:店舗で行う具体的「商品ロス削減策-④」

 2017/09/26

 秋に入り商品動向も盛り上がってくる季節になって参りました。個人的にはこの季節になるとプロ野球の動向からセールがどのように展開するかが気にかかります。ある種の職業病でしょうか…

 また、政治情勢が大きな動きを見せる中、10月後半(現時点では22日あたりが有力でしょうか?)の日曜日のお客様動向がどのように変化するかも気にかかる所です。扱い商材が衣服などの場合は、秋のピークの商品動向次第で冬に向けた商品回転に大きな影響を及ぼします。

 変化という事でいうと、最近は人材育成について活発になっている事を感じます。労働人口の減少(人口減少、少子高齢化など)の影響も受け、有効求人倍率がバブル期を超え、過去最高を記録する中、採用環境が厳しさを増しています。その為、既存メンバーの活性化がより重要度を増し、若手メンバーの定着、戦力化を課題として捉えるケースが増加傾向にあります。いち早く人材育成を進め、メンバーのやりがいを創出し、従業員満足度の向上に努める取組が、働くメンバー同士や地域での口コミを産み、仲間を確保しやすくなるスパイラルアップを生み出す事がはっきりしてきた事もあるでしょう。

 小売業専門紙の食品商業でも1年目社員のスキルチェックという特集が組まれ、私も執筆に加わりました。

 ※ご興味ございましたら是非ご覧ください   
  →食品商業10月号リンク

 小売業の場合、店舗に入ってしまうとOff-JTによる集合研修等がなかなかできない事もあり、どうしても現場で、しかも体で学ぶとスタイルの偏りがちです。私自身も現場でも、本部でも、OJT+自力で学んできました。だからこそではないですが、少しでも、理論や知識を教えて貰える機会を得た時は大きな前進がありました。特に若い年代(まだ自分で啓発活動の組み立てができない段階)では、基礎学習や、キャリアプランをもって、狙いすましてスキルアップをしていく計画を持つだけで、成長スピードは全く異なります。経験を積みつつ、バランスの良く理論を補完することで、早期にやりがいを感じ取れるよう、仕組みを持って育成をする事が組織の成長にも直結します。育成の仕組みを構築できている組織は強い組織に繋がりますので、積極的なアプローチをおすすめいたします。

 さて、前置きが長くなりしたが、ここからが本題です。商品ロス削減の具体策をテーマにした4回目となります。

 前回第9話から20坪から50坪程度のショッピングセンター内のショップをイメージして商品ロス対策の話を致しました。テーマは以下の2点です。

1:客導線を分析する。

2:平面図から死角の位置を分析する。

 ショップの場合、ワンフロアの面積が大きな店舗と異なり、少人数で小面積を…という展開となり、よりきめ細かな対策(プランニング)をすることが必要となります。立案手順1として、まず初めに「客動線→客導線」を明確にします。

まずは「動」です。自然な状態でお客様がどちらの方向から入ってくるかを把握します。自動車、自転車、徒歩、バス、電車など来店手段によっても買い方が変わりますのでどの入り口からどのように入ってきたお客様がどちらからお店に入ってくるかという視点で考えます。

 次は「導」です。お店に来て下さるお客様、また入店してくれたお客様を意識的にどのようなルートを歩いてもらうかを考え、導くルートを計画します。つまりVMDですね。

 次に立案手順2です。平面図を用いて死角を分析します。お客様が、どちらから入店され、またお店側としてどのように導くのかを設定すると、お客様の視界、また従業員が滞留する場所(レジや主要な作業場所)からどのような視界が開けているかがわかります。これを分析していくと、柱面、壁面、高めの什器、レジの角度、様々な状況から販売員さんがその場所からでは見切れない死角を抽出する事ができます。(死角はないという場合も稀にありますのでその際は接客体制を深堀して設計する事になります。)

  前回の9話でここまで到達しています。

 

 今回10話は3、4についてをお伝えしていきます。以下2項目となります。

3:有効なポジションを探索する。
4:人員配置と連動させる。

 では立案手順3、「有効なポジションの探索」に入ります。開店時や改装時の内装設計や什器レイアウトを設定する際、基本的には商品分類を売場の展開分類に落とし込んでいきます。品揃え計画にあったフェイス数を確保し、VMDプランを作成していく為、いかに販売するかを主眼に考えていくケースが殆どです。ある意味そこが本質ですので当然でもあります。一方であとから防犯設備(カメラ)などを付け足していくケースが多いのも実態です。

 本来であればコンカレントエンジニアリング(複数の工程を同時進行するスタイル。このケースでは、コンセプトを軸に関係者が一斉に意見交換し、攻防一体型で議論し、それぞれの担当毎のプランを最適化し統合型のマネジメントで業務を進行させる事を指しています。)での進行が望ましい中、実態は川上部門から先に業務を行い、メドがついたら次の部門へと、リレー型で行っているケースが多いのではないでしょうか。その結果、販売するという目的から遠いものほど、後から付け足す形式となり、防犯対策等は後回しになりがちです。その為、こんなことしたら万引きの巣窟になるぞ…というレイアウトの店舗も実在します。坪数に対し、品揃えを強化したかった…という気持ちが良く分かる形になっており、「お気持ちはお察ししますが、貴店はサッカーに例えるとフォワードだけのチーム、野球でいえば全員が内野に集まっており、外野に誰もいない…といった偏った状況になっていますよ…」という状況のお店です。万引きで困っているという店にある問題点の1つです。

 この対策として、販売員のポジショニングの修正が有効となります。実際に死角をなくすように、販売員の店舗内での滞留場所を修正し、3名体制の時は、A地点とB地点とC地点の3箇所を拠点へ、それぞれの視界を、A地点は●方向、B地点は▲方向、C地点は★方向と基本設定をしていきます。レジを動かすのは困難でしょうから、それ以外の滞留箇所を平面図の分析から論理的に設定をしていきます。

 無意識にお客様の動きにつられて動いているケースや、設備上作業がしやすい場所(土台になるものがある場所)で仕事をしている場合が多いのが実態です。この状況を、死角をなくす為の「ポジション」と「視野」を意識的に設定していく事で隙をなくし、お客様の動きをグリップすることで接客の効能も高めていきます。攻防一体型の販売員配置です。

 

 仕上げの立案手順4は人員配置との連動です。時間帯別のお客様の動きが変わる店舗、またどの店でも人員配置上は時間帯毎にスタッフの人数が変動するはすです。それには合わせて配置プランを柔軟に対応していく為の、バリエーションを作っていきます。

 

【 基本プラン 】:3名体制 A地点●方向視野・B地点▲方向視野・C地点★方向視野

時間帯別客導線

3人体制

2人体制

1人体制

10:00~12:00

 

 

 

12:00~17:00

 

 

 

17:00~20:00

 

 

 

20:00~22:00

 

 

 

 

 こんな感じで接客販売体制の基本形+バリエーションを平面図に落とし込んだものを作成し、今はどの状況かを勤務しているメンバーが判断し、最適な動きをしていくよう推進していきます。

 

 この状況で、What(何を)How(どのように)が明確になりました。1~4の分析や立案をする事で、指示を出す側としては、こうして欲しいという指示をだせるようになりました。

 一方で、メンバーが実際にこれに沿って実践してくれるかどうかは別問題です。自律的な行動を促す為には、何故こういった活動を行うのか=Why(何故)をしっかりと伝える事が重要です。

 お客様の立場から考えると、万引き等の被害を防止し、余計なコストを出さない事で、適正な利益を創出し、再投資を行い、お客様により快適なお買い物を楽しんでいただけるようなお店にしていく活動が不可欠です。一部の悪意のある存在による被害をうける事で結果的にそのコストをお客様に負担して頂いていることになり、万引防止を行わない事はお客様に不都合な結果となります。

 これを従業員そのものに置き換えれば、利益がでなければ賃金もあがりませんし、職場環境をよくする投資も、やりがいのある店舗環境投資にも回せません。

 企業側の目線で、株主対応の為にも、利益予算をクリアしなければならない…といった言い回しは、管理職レベルでは理解し、受け入れられますが、現場の販売員には響きにくいので、お客様満足目線と、従業員満足目線を中心に、「Why:何故」を伝え、自ら考え行動できる基軸をもってもらう事が重要です。

 少しずつ、メンバーに本質理解を促し、攻防一体型のアクションに繋げていきましょう。

 

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【 筆者プロフィール 】

株式会社 せんだ兄弟社 代表取締役  専田 政樹(HP https://kyodaisha.com)
株式会社 日本保安 店舗支援PJ担当シニアコンサルタント
学校法人 産業能率大学総合研究所 兼任講師
一般社団法人 日本ダイバーシティ・マネジメント推進機構認定 ダイバーシティコンサルタント
一般社団法人 インターナショナルバリューマネジメント協会 理事

7&iグループ出身、小売業歴20年の中小企業診断士
 店舗運営管理、販売スタッフ教育等を経験後、グループ内事業会社へ転籍し、小売業から製造小売業への転換を目指す新商品開発部門でSV、VMD、マーケティング、プロモーション企画等を担当し、外部専門職のマネジメント業務等に従事。その後、管理部門の責任者を務め、営業利益▲3%から、1年で+0.5%に改善した実績を持つ。

「次代を担う子供たちに【明るい未来】と【豊かな社会】を託す」事を志に独立開業。2017年3月、企業の人に関する支援を行う㈱せんだ兄弟社を設立。組織人事、各種制度構築、業務改善、人材育成などを事業領域として活動中。

→プロフィール詳細

https://www.nihon-hoan.co.jp/column/2017/04/%E2%96%A0%E5%9F%B7%E7%AD%86%

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第9話:店舗で行う具体的「商品ロス削減策③」

 2017/08/17

 

 さて前回までに、商品ロス(特に外部ロス)を
防止する為の具体策として、「①店内の従業員動線(第7話)」、
➁店内の従業員のポジショニング(第8話)」に
ついてお伝えして参りました。

 ※詳しくはバックナンバーをご覧ください。

 

 今回は第3弾として、平素質問の多い
ショッピングモール等のテナントとして
入店しているショップでの
ポジショ二ングについてお伝え致します。

 

 7話、8話でお伝えしてきた話は、
比較的自営面積の大きい大型店の場合は
有効性が高いものの、
1店舗の面積が小さい店舗ではどうしたら良いのか?
という質問をいただくケースが多々あります。

 

 そこで、今回は20坪〜50坪程度を
イメージしたショップ型店舗での
ポジショニングをテーマに致します。
衣料品や雑貨店、コスメなどが
多いジャンルです。
あるいは大型店でも
館の形状が多層型になっている場合や、
専門店型の作りになっているなど、
部門毎にはっきり売場の「場」が
分かれているケースも同様でしょう。

 

 では具体的な対策を考えていきましょう。
全体構成は以下のような4STEPとなっています。
「1~3」は対策立案時に1度やればOKです。
「4」は日々の人員配置に落とし込む事が
有効になりますので、
設定後はルーティンワークとなります。

 

 1:客導線を分析する。

 2:平面図から死角の位置を分析する。

 3:有効なポジションを探索する。

 4:人員配置と連動させる。

 

 ではさっそく「1」から進めていいきましょう。

 

【1:客導線を分析する】

 まずは、店舗ごとに客動線を分析していきます。

  ※売場設計の時は意図的に
  「導」を使用していますが、
  お客様の動きを分析する場合は
  「動」の文字を使用しています。)

 店舗のみなさんは、
おおよそ体で理解していますが、
ポジショニングを考えるにあたっては
角度が大切になりますので、
どちらの方向からどのくらいの
お客様が動いてくるかを
形式化する必要があります。

 


(1)フロア全体の状況の確認

 まずは、大きく自店の
フロアの全体図を確認し、
どこからお客様が流入して
くるのかを押さえましょう。

 

①交通手段による違い

 交通手段で変化する館への
出入り口の場所とそこから
どちらに流れるかの向き
「徒歩」「自転車」「自動車」
「バス」「タクシー」など

 入店後、大きくどちらの方向に
 足が向いているのか、
 傾向があればそこも押さえる。

 

②フロアへの流入口

 自売場のあるフロアへの
流入口を確認し、そこから
どちらへ流れるかの向き

「エレベーター」「エスカレーター」
「階段」など

 自売場へ訪れるお客様がどちらから、
 どのくらいくるかを考える

 

 まずは全体感として、お客様がどこから入店し、
どの向きに動いているかをしっかりと捉えましょう。
この要素は商品ロス対策だけでなく、
お客様を店内奥まで誘導する為の
VMD対策としても重要なポイントになります。

 

(2)状況がはっきりと変化するタイプ

 注意点としては、お店によって発生している
様々な特徴をしっかりと捉える事です。
具体的にいうと、時間帯別や、曜日別、
シーズンによって流れが変わる場合、
その変化をしっかりと抑える必要性があるという事です。
下記のような店舗のケースは
それぞれパターン化する事をお勧め致します。

 

①客動線が変化するパターン
 時間別に客層が変化し交通手段や、
 ニーズが変化する場合

 例 ・午前

     当日の食材や生活必需品を
     購入しにくる高齢者中心
     主に徒歩・自転車・バス

   ・日中
     子供が小さいヤングファミリー層が中心
     主に徒歩・自家用車

   ・夕方以降
     通学の学生や、通勤の若い世代が
     中心となり衣料品や雑貨などを
     目的に回遊したあと、
     惣菜や弁当などを求めている
     主に電車・バス・自転車

 

②曜日別に客層が変化するケース

 例 ・平日
     生活必需品の需要が殆どで
     半径500m程度の近隣住民が中心
     主に徒歩・自転車中心

   ・休日
     嗜好品へのニーズが拡大し、
     商圏半径は大きく広がる
     買い物にくると共に遊びに
     来ているファミリー層が多い
     主に自動車中心

 

③季節別の変動が大きいケース

   ・夏場
     日中に気温が高くなるため、
     朝晩にお客様が集中する

   ・冬場
     午前中に雪かきをしている
     ケースが多く、出足が遅い

 

 どのお店でも多かれ少なかれ、
変動はあるかと思います。
7:3が6:4になるといった変化は
そこまで気にすることはありません。
 一方で、7:3が4:6になると
いった変化が起こる場合は計画的な
対応が必要です。

 

 ここでは、お客様が自分の店に
向かって歩いてくる流れの変化の
話をしているので、
交通手段の変化等で
お客様の移動する
向きに着目してください。
 客層の変化については
考えなくて結構です。
客層の変化については、
今後売場作りについて
論じていく際に言及致します。

 

 まずはこの段階で、
1パターンで良い店舗は1色で、
複数パターンある店舗は色を分けて、
どちらの向きからどのくらいの
割合でお客様がきているかを
書き込みましょう。

 細かな計測は必要なく
大ざっぱで結構ですので
一度図面に、向きと割合を
落としてみましょう。

 その後しばらく注意して観察し、
おおきな狂い(初期値が思い込みだった場合)
でなければ次のステップに進みましょう。

 

 

【2:平面図から死角の位置を分析する】

(1)レジポジションから見た死角を確認する

 まずは、自分の売場の平面図を分析し、
死角の存在を分析します。
まずは最も従業員が滞留する場所を
軸に確認をしてみましょう。

 多くの場合で、
滞留箇所の代表例として
レジが上がりますので、
まずはその位置を
軸に考えてみましょう。

 レジ側から①で落とし込んだ
お客様が向かってくる方向を確認してください。
その際に死角はないでしょうか。
 比較的ショップ型店舗の場合、
柱や造作物が壁となって、
お客様が見えないケースが発生します。

 この状況で対策を打たないと、
従業員がレジの中にしかいない場合、
裏側は完全に死角となり、
まったくお客様の動向が見えません。
接客できないばかりか、
商品ロス(特に外部ロス)の
発生原因となってしまいます。

 他にも什器配列上の視覚や、
高い什器が視界を遮って
死角をつくってしまっている例もあります。

 こういったケースでは、
防犯カメラや、ミラー、
そしてその設置をアピールするPOP等が
「抑止力」や、「牽制力」を高める対策として
活用されていますが、
それぞれ一長一短があります。

 

(2)防犯機器の効能

 ①防犯カメラ、POP

  出来心での外部ロス(万引き)には有効。
  犯行を証明する材料となりやすい。
  プロ化した常習者への効果は低い。
   ※映像を100%キャッチできていない事を
    知っている為、短時間で犯行に及べば
    効果を発揮しにくいことをわかっている。

 

 ②ミラー

  従業員が常に注意を払っている事が
  認識できるレベルであれば効果が高い。
  逆に見ていない(見ていないと察知されている)
  状況であれば効果が低い。
   ※従業員の平素の働き方しだいで
    効能に変化が生じる

 

 その為、弊社主催の研修では
データを紹介しながら、お伝えしていますが、
過去の警視庁の統計では、
「万引きを途中でやめた際の理由」
についての回答として、
トップは「店員からの声かけ」で
60%強となっています。
 ある意味、原始的ではありますが、
結局のところ、これが一番有効なのです。

 

 その為、次のステップではお客様への接客面でも、
万引犯への防犯面でも効果的に声かけするには
どうしたらよいのか…という議論になります。

 

(3)二人目の配置を考える

 

①入店客をグリップできるポジションを探る

 まずレジに1人いる事を前提として、
もう一人メンバーを配置する際に
どの場所に立つとお店に入ってくる
お客様をグリップできるでしょうか?

 ※一人目がレジから離れることができるなら、
  レジから離れたポジションで
  想定して頂いて大丈夫です。

 すべての角度を見渡せるにこした事はありませんが、
この時のポイントは、お店(売場)に入ってく事が
見渡せる事を最優先してください。

 

②入店時を優先する理由

 入店時に「いらっしゃいませ。●●●●…」と
一声かける事を目的とするからです。
お客さまには、
「販売員として私がここにいますので、
何かございましたらお声かけください。」
というメッセージになり、
万引き犯からすると、
「あっ見られているな・・・・」
という感覚を覚えます。

 万引き犯の心理としては、
リスクの高い店では犯行を避けます。
相手の立場にたって考えれば
わざわざマークされている
店で犯行に及ぶ必要はなく、
他の店に移動をしていきます。

 逆に日ごろからきっちり対応する事で、
そもそも犯行を検討する店の対象から外れます。
「この店はちゃんと見ている店だから…」
となるのです。

 その為にも入り口で
しっかりとご挨拶をできる
体制が重要になります。
入り口にぴったり張り付かなくても、
入店する事に気が付く
場所、角度に陣取ればOKです。

 

 

さて少々長くなりましたので、
今回はこのあたりにして、

次回は

 3:有効なポジションを探索する。
   バランスをとって有効な
   場所を探索し拠点を作る

 4:人員配置と連動させる。
 
  その時々の従業員の人数や
   お客様に流れの特徴に合わせて
   基本パターンを作成し、
   日々の業務に連動させる。

についてお伝えして参ります。

 一度しっかりと対策を練って、
ルーティン業務に落とし込み
定着させることができれば
様々な相乗効果がでますので、
是非取り組んでみてください。

 ご不明点等ございましたら、
HPよりメール等でお問合せ下さい。
宜しくお願い致します。

↓お問合せは下記より

https://www.nihon-hoan.co.jp/contact/”>

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【 筆者プロフィール 】

株式会社 せんだ兄弟社 代表取締役  専田 政樹  (https://kyodaisha.com)

株式会社 日本保安 店舗支援PJ担当シニアコンサルタント

7&iグループ出身、小売業歴20年の中小企業診断士
 店舗運営管理、販売スタッフ教育等を経験後、グループ内事業会社へ転籍し、小売業から製造小売業への転換を目指す新商品開発部門でSV、VMD、マーケティング、プロモーション企画等を担当し、外部専門職のマネジメント業務等に従事。その後、管理部門の責任者を務め、営業利益▲3%から、1年で+0.5%に改善した実績を持つ。

「次代を担う子供たちに【明るい未来】と【豊かな社会】を託す」事を志に独立開業。2017年3月、企業の人に関する支援を行う㈱せんだ兄弟社を設立。組織人事、各種制度構築、業務改善、人材育成などを事業領域として活動中。

→プロフィール詳細

https://www.nihon-hoan.co.jp/column/2017/04/%E2%96%A0%E5%9F%B7%E7%AD%86%

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第7話:店舗で行う具体的「商品ロス削減策①」

 2017/06/16

 前回は商品ロスが利益面で店舗に及ぼす影響についてお伝えしました。一見して目立ち、影響が大きく見える商品評価損(値下げなど)よりも、むしろ商品ロスの方が、「損害が大きい」事がお分かりいただけたのではないでしょうか。

 

 肝心なのは具体的に、商品ロスをどうやって防ぐか…という事ですが種類別の対応が必要となります。  第5話で商品ロスには大きく分けて「外部ロス」「内部ロス」「管理ミス」の3つの分類がある事を伝えしています。  まずは、万引きを中心とした「外部ロス」対策から参りましょう。

 

 外部ロス対策にもいくつか種類があります。1つは万引き犯を捕捉するというものです。これは弊社が派遣している私服による保安員(万引きGメン)や販売員や警備員が犯行に及んだ人に声かけをしていくタイプです。
 時間軸でいうなら事後処理に相当します。外敵が現れたので、撃退するという感じでしょうか。

 

 もう1つは予防体制の構築です。万引き犯が集まらない店に、あるいは万引きをしようという気にさせない店作りです。
 火事が発生したので消化するのが前者なら、こちらは火事が発生しないように予防するタイプの対策です。

 

 警視庁による調査でも数値化されていましたが、万引きを防止する為には販売員さんのお声かけが最も効果的と言われています。皆さんも体感的にはYESでしょう。
 しかしながら、お店の販売員さんは日々非常に忙しく仕事をしていますので、プラスアルファで万引き予防の為の業務を別途追加するのは難しいという状況も多いのではないでしょうか。

 

 そのため、実際に予防活動を行うためには、日々行っている業務の中に内包していく事が重要となります。特段、商品ロス対策を考えなくても、そもそも行っている業務の中にその要素をミックスしていく事がポイントです。

 

 では具体的な対策例をあげていきましょう。 今回は販売員の店内動線です。

 品出しなどのルーティンワークの中で、バックルームから該当の売場への移動が繰り返されます。また、レジへの移動も多発します。 当然ですが多くの場合、最短距離を移動します。
  またいくつかの通路の中で、広い等の物理的に移動しやすい経路を選択しているはずです。
 すると、多くのメンバーが同じ経路を通ります。もうお分かりでしょう。結果として、店の中で販売員の目が届かない死角が発生しています。特に対策を打ってないお店では必ずと言っていいほどこういった状況です。

 

 ここに具体的な対策を入れ込むだけで状況は大きく変わります。  まずは移動経路を設計します。バックルームからレジまで複数の動線を設定し、店全体を販売員が移動している状況を作ります。Aルート、Bルートと言った具合です。
 そして出勤者に日替わりでどのルートを通るかを日々設定していきます。くじ引き的に楽しんでできる仕掛けを加えていくとより効果的です。

 

    スライド2スライド3

 

 このアクションを起こす事で、店全体に不定期の巡回が発生しますので、万引き犯からしてみると、いつ店員が通るかわからない状況となります。
 この棚の列は店員が来ないだろうと予測していても、突然「いらっしゃいませ~」という声掛けとともに店員が通過します。
 この状況をつくる事で「この店ではやめておこう」犯行を断念させる効果を生みます。

 

 その際、忘れてはいけないのは「ルックアップです。せっかく動線を設定しても、お客様に目配りをしなければ効果は上がりません。  接客推進活動として、顔を上げてお客様を探し、積極的な挨拶運動を合わせておこないましょう。
 防犯効果だけでなく、ストアロイヤリティも高まります。

 

 若干遠回りになるかもしれませんが、日によっては最短ルートを通る日もあります。
 結果、しっかりと利益をだし、お店を良いスパイラルに導くことで、お客様を増やし、販売員を増員する方がよっぽど楽になります。    不思議なもので、小売業では、売上や利益が伸びる方が仕事の効率は高まり楽になります。
 お客様が減り、売上がおちてしまうと、その対策に追われ、むしろ仕事は増え、さらに人が減り、効率が下り、仕事はより大変になっていきます。

 

 まさに「急がばまわれ」という事ですね。

 

 一方で、お店のロケーションは個店毎に異なる為、一律に本部からこういった従業員動線を設定せよ…と指令をだしてもなかなか上手くいかない事が多いようです。
 弊社では、こういった企業様向けに、店長会議等で平面図を持参してもらい、考え方を説明した上で個店毎の従業員動線を設定する研修をおこなっています。

 

 セルフワークを行った後、店長さん同士で情報共有をする事で、互いに指摘をしあう事で、よりスキのない動線設定になり、意識も高めることができます。

 

 近年の小売業では、営業時間の延伸によるシフト制の増加などで、方針や手法を決定した後、全体に浸透させる事で苦労するケースが多くなっています。 そのため個店別に立案が必要なアクションの場合、立案まで全体の場で一気にやってしまい、持って帰って実行すれば良い形をつくる事が効果的です。

 

※教育研修事業のご案内はこちら↓
https://www.nihon-hoan.co.jp/business/saleseducation/#02

 詳細はお問合せください。

 

 次回は、販売員が店内に滞留している際に加えるアクションについてお伝えしていきます。

 

通常業務を行いながら商品ロス対策のアクションを加える事で、お店の利益を高めていきましょう。

 

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【 筆者プロフィール 】

株式会社 せんだ兄弟社 代表取締役  専田 政樹   (https://kyodaisha.com)
株式会社 日本保安 店舗支援PJ担当シニアコンサルタント

7&iグループ出身、小売業歴20年の中小企業診断士
 店舗運営管理、販売スタッフ教育等を経験後、グループ内事業会社へ転籍し、小売業から製造小売業への転換を目指す新商品開発部門でSV、VMD、マーケティング、プロモーション企画等を担当し、外部専門職のマネジメント業務等に従事。その後、管理部門の責任者を務め、営業利益▲3%から、1年で+0.5%に改善した実績を持つ。

「次代を担う子供たちに【明るい未来】と【豊かな社会】を託す」事を志に独立開業。2017年3月、企業の人に関する支援を行う㈱せんだ兄弟社を設立。組織人事、各種制度構築、業務改善、人材育成などを事業領域として活動中。

→プロフィール詳細

https://www.nihon-hoan.co.jp/column/2017/04/%E2%96%A0%E5%9F%B7%E7%AD%86%

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第6話:「商品ロス」が利益に与える影響

 2017/05/25

  前回は、アメリカでは「商品ロス」への取組が進んでおり、注目度の高い要素である事をお伝えしました。今回は、実際の店舗経営に与える影響がどのくらいあるのかについて考えていきましょう。

 実際に数値に落し込んでみましょう。商品ロス(棚卸減耗)と値下げ(商品評価損)を比較しながら考えていきます。

 

 まず商品を1つで考えてみましょう。

 A:値下げ(商品評価損)

  売価100円、原価60円、粗利40%の商品の売れ行きが悪く、半額で処分したケース

 売上が50円立ちますが、粗利は▲10円(原価割れ)です。店頭でこういった処分をすると目立つ事もあり、注目度は非常に高くなります。どんな管理をしているのか…と追求を受けそうな事例です。

 

 B:商品ロス(棚卸減耗)

  売価100円、原価60円、粗利40%の商品が気付いたらなくなっていたケース

売上はたたず、目立ちません。気が付けばまだ良いですが、量販品になればなるほどそもそも気が付きません。そのため注目度が低く、棚卸の際などに総量で発覚する事が多くなります。ですが、1個なくなった事で▲60円の被害です。

 

 次にこの損失を粗利ではなく、利益の視点で考えてみます。日本スーパーマーケット協会が発行しているスーパーマーケット白書の食品スーパーの経常利益の平均値が1.1%となっていますので、すこし丸めて1%で考えてみましょう。

 

 Aのケースでは▲10円の原価割れです。この損失を1%の利益でカバーしようとすると、どうなるでしょうか?100円の商品を1個売ったら1円の経常利益が残るわけですから、▲10円の損失をカバーするには10個販売する必要があります。1点半額で処分した事で、プロパーで10個販売しないと取り返せません。

 

 Bのケースではどうでしょうか?▲60円の損失をだしていますので、1個1円の利益だと60個販売しなければなりません。1個なくなった事で、プロパーで60個分販売しないと取り返せない損失です。それでも売れるなら良いですが、この市場の状況で、1個なくなったが為に、あと60個多く売れと言われてもそう簡単にできるものではありません。

 

 Aのケース(商品評価損)でも大きなダメージですが、Bのケース(棚卸減耗損)のダメージの甚大さがお分かりいただけたかでしょうか。商品ロスはその原価分が、最終利益から直接引かれる事と同じ状況を生むため、被害は本当に甚大です。

 またAの場合はより多くの商品を販売する為に攻めた結果生まれる事もありますが、Bの場合にはプラスの要素は全くありません。1個なくなったことがその都度直接的に損害となります。棚卸の際にまとめてみているので気が付きにくいだけなのです。

 

 メンバーで努力しこつこつ積み上げて創出した利益から、ごっそりとマイナスされてしまう商品ロスを減らし、撲滅していく取組は小売業にとって非常に重要な要素となるのです。小売業が良い状況で存続していく事は、地域に住むお客様の生活インフラでもあります。お客様の為にもしっかりと取り組んでいきたい項目です。

 

 次回は具体的な対策について考えてまいります。よろしくお願い致します。

 

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【 筆者プロフィール 】

株式会社 せんだ兄弟社 代表取締役  専田 政樹   (https://kyodaisha.com)

株式会社 日本保安 店舗支援PJ担当シニアコンサルタント

7&iグループ出身、小売業歴20年の中小企業診断士
 店舗運営管理、販売スタッフ教育等を経験後、グループ内事業会社へ転籍し、小売業から製造小売業への転換を目指す新商品開発部門でSV、VMD、マーケティング、プロモーション企画等を担当し、外部専門職のマネジメント業務等に従事。その後、管理部門の責任者を務め、営業利益▲3%から、1年で+0.5%に改善した実績を持つ。

「次代を担う子供たちに【明るい未来】と【豊かな社会】を託す」事を志に独立開業。2017年3月、企業の人に関する支援を行う㈱せんだ兄弟社を設立。組織人事、各種制度構築、業務改善、人材育成などを事業領域として活動中。

→プロフィール詳細

https://www.nihon-hoan.co.jp/column/2017/04/%E2%96%A0%E5%9F%B7%E7%AD%86%

 

第5話「削減する事で、お客様に全く悪影響を与えないコスト」

 2017/05/11

 前回は、「削減して良い経費」と「削減してはいけない経費」についてお伝えしました。経費削減を行う中で、小売業として本来お客様へ提供したい「商品、サービス」の質を低下させてしまうアクションには注意が必要です。例えば水道光熱費を抑えたいがあまり、「売場の照明の照度を落とす」、あるいは「照明(電球)を間引きする」といった行為は、お客様の心地よいお買い物を妨げ、ますます業績の悪化させてしまうバッドスパイラルに陥る原因にもなりかねません。

 

 そうはいっても、利益性を高める為の取組は必須である事は間違いありません。お客様に対しマイナス要因を作らず、アプローチする為にはどのような取り組みが効果的なのかを考える事が重要になります。

 その論点の一つとなるのが、「商品ロス」です。お店の利益創出を考えると、「地味」ではありますが、大きな影響を与えるコストです。損失と言った方が正確ですが、利益を改善するアプローチという意味ではコストと捉える事ができます。会計的にいえば、棚卸減耗損がその一部です。

 何故「商品ロス」に着目するか…。それは百害あって一利なしの要素だからです。やり方を間違えなければ、このコストを削減する事でお客様に悪影響を及ぼす要素はありません。

 

 では「商品ロス」についてもう少し詳しく説明をしていきます。商品ロスを分類すると、大きく3つの要素に分かれます。

 一つ目は「外部ロス」、いわゆる万引きです。外部の人間による商品ロスを指しています。近年の傾向としては、人口統計の変化の影響もあってか、~10代の若者の検挙が減少傾向にあり、高齢者の検挙が増加しているのが特徴です。またWEBによる商品売買により、素人さんでも換金できるようになった為、転売目的も増加しています。高額な商品を大量に持ち出す窃盗団も存在します。

 2つ目は内部ロスです。これは店内、つまり従業員による商品ロスです。店内ルールが緩い為におこる悪気のないものから、レジ打ち担当者と共謀した篭脱け(10点の内、3点しかスキャンしないといった類)、商品を大量に横流しする行為まで様々です。

 3つ目は管理ミスです。いわゆる「間違えちゃった」というパターンです。レジでの操作ミスや商品のカウントミスなどがあげられます。

 これらは店舗にとって害以外の何物でもなく、精度の高いマネジメントを行う事でお客様への悪影響は全くおこらない、まさに撲滅したいコストです。

 

 しかし、棚卸の前後でしか着目されない傾向が強く、日々の取組に落とし込まれていないケースが多いのが実態でしょう。よりたくさんの商品を販売して、お客様に喜んでもらいたいと考えるあまり、つい後回しになりがちです。

 一方で、商品ロス対策が進んでいるアメリカではこんな考え方が広まりつつあります。「商品ロスを放置するという事は、そのコストを優良顧客に負担させている事と同じ行為であり、店舗側の怠慢である」というスタンスです。商品ロス率が高い企業は投資家からも厳しい評価を受けます。利益性を考えた時にそのくらい大きな影響があるという事です。

 

次回は、実際に商品ロスが利益に与える影響が、数値的にどのくらいあるのかを考えていきます。

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【 筆者プロフィール 】

株式会社 せんだ兄弟社 代表取締役  専田 政樹   (https://kyodaisha.com)

株式会社 日本保安 店舗支援PJ担当シニアコンサルタント

7&iグループ出身、小売業歴20年の中小企業診断士
 店舗運営管理、販売スタッフ教育等を経験後、グループ内事業会社へ転籍し、小売業から製造小売業への転換を目指す新商品開発部門でSV、VMD、マーケティング、プロモーション企画等を担当し、外部専門職のマネジメント業務等に従事。その後、管理部門の責任者を務め、営業利益▲3%から、1年で+0.5%に改善した実績を持つ。

「次代を担う子供たちに【明るい未来】と【豊かな社会】を託す」事を志に独立開業。2017年3月、企業の人に関する支援を行う㈱せんだ兄弟社を設立。組織人事、各種制度構築、業務改善、人材育成などを事業領域として活動中。

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https://www.nihon-hoan.co.jp/column/2017/04/%E2%96%A0%E5%9F%B7%E7%AD%86%

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第4話:「削減して良い経費」と「削減してはいけない経費」を考える

 2017/04/13

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