第22話 チェーンオペレーションにおける個店戦略④
■STEP5 地域のお客様に迫る 2019/05/28
STEP5 地域のお客様に迫る④
さて、今回は前回の続きです。
3C分析におけるカスタマー(顧客)、
コンペティター(競合)、カンパニー(自社)の
3つの要素を分析する際の1つ目、
カスタマーについてです。
メインターゲット、サブターゲットというように、
マーケティングでいう標的顧客を設定し、
施策を連動させていく考え方を活用するのですが、
この時、ターゲット像を明確化する為に、
より具体的なお客様イメージを構想し、
1つ1つの施策がそのお客様に響くかどうかを
検証するペルソナ分析が有効です。
定量的(年齢、性別、収入…)な要素に留まらず
ライフスタイル、趣味、趣向など
様々な要素を具体的に構想していきます。
まずもってこんな人に支持されたいという
ど真ん中のストレートをイメージします。
一方で小売業において、
ペルソナ分析を苦手とする業態は
正直多いのではないでしょうか?
なぜならば日本の小売業発展の過程において
立地産業として発展を遂げた経緯や、
経済発展の中で市場の成長を
背景にしてきたことが挙げられます。
店規模に応じて出店時に半径◯メートルを制圧し、
そのエリアで地域1番店を目指したのです。
その結果、ターゲットは地域住む人すべてとなり、
特に総合量販店では、
衣食住全ての品をワンストップで
購入してくださるお客様を
メインターゲットとしました。
一方、時代の発展とともに状況は変わりました。
皆様がお客様の立場で考えたときに、
衣食住をある一店舗でしか買わない、
というイメージがわくでしょうか?
既にそのようなことはあり得ない時代になりましたが、
かつての成功体験から脱却できない業態になるほど、
今回のテーマであるペルソナ分析を苦手とします。
差別化をするためには、ターゲット像を絞り込み、
ライフスタイルに沿って品揃えを深く狭く絞り込み、
生活シーンに合わせて使い分けていただく必要がありますが、
かつての体験から絞り込むことが
客層を減らし店舗が支持を
失ってしまうのではないかと誤解をしているのです。
ターゲットを絞るという発想をしたときに、
最も安易なのは定量的な絞り込みです。
年代、性別といった類いですね。
これをやるとたしかにそうなります。
一方、誰もが抱える生活の中の
「●●なシーン!」に絞り込めば、
誰もがターゲットとなります。
あっこんな時は、あの店を使おう…
と感じてもらえるように設定するわけです。
これが上手くできないと、
削り込みとなってしまい
ますます業績は下降する恐れがあります。
物事捉え方ひとつで方向は
大きく変わってきます。
フレームワークの使いこなしが
難しい理由のひとつですね。
次回はもう少し具体的な方法論に迫っていきます。
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【 筆者プロフィール 】
株式会社 せんだ兄弟社 代表取締役 専田 政樹(HP https://kyodaisha.com)
株式会社 日本保安 店舗支援PJ担当シニアコンサルタント
学校法人産業能率大学総合研究所 兼任講師
一般社団法人インターナショナルバリューマネジメント協会 理事
一般社団法人日本ダイバーシティ・マネジメント推進機構認定ダイバーシティコンサルタント
7&iグループ出身、小売業歴20年の中小企業診断士
店舗運営管理、販売スタッフ教育等を経験後、グループ内事業会社へ転籍し、
小売業から製造小売業への転換を目指す新商品開発部門でSV、VMD、マーケティング、
プロモーション企画等を担当し、外部専門職のマネジメント業務等に従事。
その後、管理部門責任者を務め、営業利益▲3%から、1年で+0.5%に改善した実績を持つ。
「次代を担う子供たちに【明るい未来】と【豊かな社会】を託す」事を志に独立開業。
2017年3月、企業の人に関する支援を行う㈱せんだ兄弟社を設立。
組織人事、各種制度構築、業務改善、人材育成などを事業領域として活動中。
→プロフィール詳細
http://www.nihon-hoan.co.jp/column/2017/04/%E2%96%A0%E5%9F%B7%E7%AD%86%
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