- ■STEP5 地域のお客様に迫る 2019/02/22
STEP5 地域のお客様に迫る③
さて、今回は前回お話した3C分析の続きとなります。簡単におさらいをします。
3Cとは以下の3つの要素の頭文字をとっています。
①:Customer=顧客
②:Competitor=競合
③:Company=自社
若干表現のバラつきはある事がありますが、おおよそはこの3つとなります。自社の想定するお客様に対し、競合と対比して優位な状況にあるか、もっと言えば差別化された状況にあるか…を客観視し、戦略の有効性を検証したり、修正したりする場合に用います。もちろん初期の戦略立案時にも有効といえます。
さて、一方で前回も少しお伝えしましたが、こういったフレームワークについてやってみたけど、効果がないとか、役に立たない…といった声を聴くのも実態です。上手く使いこなすにはいったいどうしたら良いのでしょうか…
私自身も、実際に初めは今一つ上手く使いこなせない事が多く、疑問を感じた事も多々ありました。
そういった中で、ある先生から、こんなことを教えていただきました。要点をまとめるとこんな感じです。
「経営戦略の理論や、マーケティングなどにおけるフレームワークが多々あるが、そのまま使えるわけではない。なぜならば、経営を研究している研究者が、成功している企業を分析した結果、どうやらこんな方法で成功しているらしい…というものを形式化し、一般化したものだからだ。つまり、成功企業がその時代の外部環境のもとで、事業展開した商品サービスがこの方法で上手くいった…というものであり、同様の方法を活用する事で成功を収める事ができた事例を確保する事ができたにすぎない。そう考える事ができれば、外部環境の違い、もっといえば時代が異なり、事業展開する商品サービスが異なる場合に、そのまま使って必ずうまくいくわけではない事は明白である。一方で成功事例があるということは成功可能性が高いということであり、状況にアジャストすることができれば有効活用する事ができる可能性は高いともいえる。要はいかにカスタマイズして使いこなす事ができるかがポイントである」
この話を聞いてから私の場合は、いかに使いこなすかを考えるようになりました。特にフレームワークどうしを掛け合わせて、分析ポイントを整理しながら活用することにトライすることで徐々に上手くなっていきました。
今回の3C分析ですが、私自身が活用する際のコツとして掛け合わせているのフレームが二つあります。
ひとつはペルソナ分析です、これは①のCustomer=顧客と掛け合わせます。抽象的になりやすいターゲット論を具体化する為に、その内容を突き詰める効果があります。
もう一つはマーケティングミックスです。これは②Competitor=競合、③Company=自社を掛け合わせます。商品、価格、流通、販促の要素で競合と自社を比較する事で、顧客に対する優位性を項目別に比較します。また各要素が串刺しされて効果がでているかどうかを検証します。
大きく分類すると、分析の方向性を示したフレームと比較する項目を明確化したフレームがあります。SWOT分析などに代表するのが前者、マーケティングミックスや、7S分析などが後者です。方向性を示すフレームを単独で示すと項目が散漫になりやすく並べ立てたがよくわからないということになりやすくなります。その為、比較する項目を明確化する事で効果を固める事ができます。その際に何を選択するかが重要なポイントなり、SWOTの事例でいえば営業や販売戦略ならマーケティングミックスを、組織人事戦略なら7Sという感じです。
いかがでしょうか。3C分析を実施する際に、効果を高めるには、顧客を具体的に設定する事と、今日と自社の優位性を分析する為の項目の整備が重要です。
皆さんも是非、自社の差別化の程度を比較する為にどの項目を比較すると有効かを考えながら活用してみてください。
少し長くなりましたので今回はここまでにして、次回は、ターゲット分析について、ペルソナ分析、メインターゲット、サブターゲットの設定について考えていきます。
宜しくお願い致します。
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【 筆者プロフィール 】
株式会社 せんだ兄弟社 代表取締役 専田 政樹(HP https://kyodaisha.com)
株式会社 日本保安 店舗支援PJ担当シニアコンサルタント
学校法人産業能率大学総合研究所 兼任講師
一般社団法人インターナショナルバリューマネジメント協会 理事
一般社団法人日本ダイバーシティ・マネジメント推進機構認定ダイバーシティコンサルタント
7&iグループ出身、小売業歴20年の中小企業診断士
店舗運営管理、販売スタッフ教育等を経験後、グループ内事業会社へ転籍し、
小売業から製造小売業への転換を目指す新商品開発部門でSV、VMD、マーケティング、
プロモーション企画等を担当し、外部専門職のマネジメント業務等に従事。
その後、管理部門責任者を務め、営業利益▲3%から、1年で+0.5%に改善した実績を持つ。
「次代を担う子供たちに【明るい未来】と【豊かな社会】を託す」事を志に独立開業。
2017年3月、企業の人に関する支援を行う㈱せんだ兄弟社を設立。
組織人事、各種制度構築、業務改善、人材育成などを事業領域として活動中。
→プロフィール詳細
http://www.nihon-hoan.co.jp/column/2017/04/%E2%96%A0%E5%9F%B7%E7%AD%86%
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