第18話:構成比を使った売場運営④~検証
■STEP4 3つの構成比で店を操る 2018/11/18
STEP4 3つの構成比で店を操る
さて前回は3つの構成比を使った売場での取り組みについて
実践後の検証段階でのお話を致しました。
メンバーにとって、一定の基準ができるが、
継続して実践しないと効果が薄い点や、
シーゾナルタイプとステープルタイプの違いなどによる
扱い方法の違いなどについてお伝えいたしました。
一方で、継続した実施ができるようになってくると
次の課題にぶつかります。
自分の売場の分類方法が根本的にどうなのか?
という壁にぶつかります。
小売業における分類にはいくつかのタイプがあります。
まず一つ目が「商品分類」になります。
少し言い方を変えると「商品製造分類」と呼ぶこともできるでしょう。
生活消費材である場合は特にこの傾向が高まりますが、
基本的に商品そのもの事を指しています。
パンなら朝食にしようが、夕食で食べようが同じパンである…
といった具合で、製造工程での分類とほぼイコールになります。
この分類で売場も展開するという方法です。
もう一つは、消費者ニーズに合わせた分類で、
「売場展開分類」と呼ばれるタイプです。
お客様の買い方や、認識に合わせて商品を括り
コーナー化して売場を展開していきます。
関連販売やコーディネート販売、ブランド分類といった
訴求力をたかめる事を狙った考え方です。
どちらもメリット、デメリットが存在し、
状況に応じてミックスすべきものですが、
構成比管理をしていくと、
程度の差こそあれ、もう一つの分類が
運営を阻害するケースが発生します。
それが「データ分類」です。
POSの普及が進むにつれて、
過去に比べると、
データ分析をする際の負荷が
だいぶ軽くなってきてはいますが、
構成比データを活用しようとすると、
データ分類と売場の分類が
ある程度近くなっていないと
いちいち手計算で組みなおさなければならない
場面が多発してきます。
私自身、この問題にはかなり手を焼きました。
店舗ではシステム上での解決には手が出せず、
手作業の進め方の改善による時短にとどまりました。
本部スタッフとしてシステムの回収時にインタビューを
受ける事ができた機会があり、
この問題についてしっかりとインプットをしましたが、
ヒアリング担当者はその話は既にグリップできていて
改善に向けて動いているとコメントし、
結果でてきたものには全く反映されていない…
という結果が待っていました。
製造→仕入→物流→店舗納品といった
工程で進んでいく事を考えると、
小売側の川上が仕入部門である事が多く、
この段階で商品部類と売場展開分類の照合を
真剣に議論をしていかないと、
なかなか改善が進まないのですが、
なかなかこの階層にメスを入れるところまで
手が回らないのが実態です。
ここにルーティンで改善アクションを起こす事ができれば
論理的な仕事を推進する事に大いに役立ちますので
可能な企業様は是非トライアルをしていただきたいと思います。
店舗レベルで行けば、
限られた時間で、どこまで有効な分析ができるかを考え
絞り込んで分析を実施するのがベストでしょう。
編集型の売場を、
どの程度の規模、レベルで実施するか、
つまり、維持継続可能な顧客分類による売場を
どの商品カテゴリーでどのくらい実施するかを
考えていく事になります。
構成比管理を突き詰めると、
データ分類と売場展開を一致させればよいのでは?
という話にもなりますが、
目指すべきは顧客に種維持される売場であって
我々が管理しやすい売場ではない…という事です。
ここを間違えると本末転倒になりますので注意が必要です。
逆にこの問題が出てくるようになるという事は
メンバーの力がかなり向上してきたことになります。
ここまでくれば、
売場の管理がかなり掌に乗ってきた…
といえるでしょう。
お客様のニーズに迫る品揃えに向け
着々とPDCAが回るようになっているはずです。
こうなると徐々にお客様からの支持も高まり始めます。
是非継続して3つの構成比を活用した
売場運営にトライしてみてください。 (^^♪
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【 筆者プロフィール 】
株式会社 せんだ兄弟社 代表取締役 専田 政樹(HP https://kyodaisha.com) 株式会社 日本保安 店舗支援PJ担当シニアコンサルタント 学校法人 産業能率大学総合研究所 兼任講師 一般社団法人 インターナショナルバリューマネジメント協会 理事 一般社団法人 日本ダイバーシティ・マネジメント推進機構認定 ダイバーシティコンサルタント
7&iグループ出身、小売業歴20年の中小企業診断士 店舗運営管理、販売スタッフ教育等を経験後、グループ内事業会社へ転籍し、小売業から製造小売業への転換を目指す新商品開発部門でSV、VMD、マーケティング、プロモーション企画等を担当し、外部専門職のマネジメント業務等に従事。 その後、管理部門の責任者を務め、営業利益▲3%から、1年で+0.5%に改善した実績を持つ。
「次代を担う子供たちに【明るい未来】と【豊かな社会】を託す」事を志に独立開業。2017年3月、企業の人に関する支援を行う㈱せんだ兄弟社を設立。組織人事、各種制度構築、業務改善、人材育成などを事業領域として活動中。
→プロフィール詳細http://www.nihon-hoan.co.jp/column/2017/04/%E2%96%A0%E5%9F%B7%E7%AD%86%
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