第1話 勝ち残る為の店つくり~利益改善の7STEP
■勝ち残る為の店つくり 2017/04/13
皆様のお店で、こんなお悩みをお持ちになった事はないでしょうか?
・以前のように売上が確保できなくなってきた…
・募集をかけてもスタッフが集まりにくくなってきた…
・近隣に競合店が増えて客数が徐々に減ってきた…
・周りの店が徐々に減って地域全体の活力が低下している…
・ネットの普及でお客さんをとられている(気がする)…
・様々な影響を受け、業績が苦しくなり利益状況が悪化している…
近頃、小売店からよく聞こえてくる声の数々です。
要素がたくさんありすぎて個々の状況に対応しようとしても、
なかなか上手くいかない…そんな声です。
何故このような状況になっているのでしょうか?
小売業が共通で抱えているいくつかの外部要因がありますので
整理をしてみましょう。
【 社会構造の変化 】
・人口減少(消費の数の変化)
2015年の国勢調査で統計上初の人口減少へ。
国内市場の急激な縮小の初段階へ入った。
・少子高齢化(消費の質の変化)
国内全体の年齢層の高まりによって、
生活必需品を中心として消費は停滞傾向へ。
・消費環境の変化
物不足の時代の終焉で無駄なものを買わない時代へ
買い物以外のレジャーの増加
IT技術の進展と浸透によるECの拡大
【 業界の環境変化 】
・規制緩和
大店立地法への改正以降、出店や営業時間などの
環境が変化し、競合状況が厳しくなっている。
→郊外型大型店の増加
→営業時間の長時間化
→店給日の減少 などなど
・小型店の台頭
コンビニ、小型スーパーなど小型で狭域商圏で営業する
店舗の出店加速で、既存店の競合状況が激化。
→既存店が足元を奪われ商圏が縮小
・品揃えの重複化
各業態、各店が進化することによりそれぞれの品揃えが
拡大、充実してきている。
→コンビニで生鮮食品(食品スーパーとの直接的な競合へ)
→書店で古本(新規と中古の併売)
→回転寿司でカレー(飲食事例:ランチ需要への対応が狙い)
【 サービス 】
・店舗スタッフの少人数化
営業時間の延伸により販売体制が間延びしサービスレベルが低下している
・スタッフの変化
バブルや規制緩和とともに従業員の非正規化が進み熟練度が低下
ベテラン社員の引退による店舗運営、接客技術等の地盤沈下
社員年齢構成の歪みによる伝承の断絶
実に様々な要因がありますが、店舗では多かれ少なかれ、社会構造やマーケットの変化をの影響を受けています。
そんな中、これまでと同じような売上向上の取組は一朝一夕にはいきません。強烈な向かい風に真正面から進むような状況だからです。
今後、勝ち残っていく為には、この向かい風を突破すべく、基礎体力を向上し、お店を総合的に良いスパイラルに導く事が重要となります。その為には、日々の売上のみに固執するのではなく、しっかりと利益を出す体制作りが重要となります。もっと言えば、必要な様々な対策を打つための原資を確保し、計画的な対策や投資を行う事が重要となります。
一方で、小売業の場合、店舗での「接客サービス」の重要性を考えると、他の業種のように「IT化」や「機械化」などで無人化して業務を回す方向性での発展には限界があります。
店舗運営管理を含む接客サービスの質を高める事が必要であり、その為には必要な人財をしっかりと抱え、自社の提供する商品サービスに合った人財育成をする重要性が増しています。こういった施策を実行する為には、繰り返しになりますが、人材投資を行うための原資、つまり利益が高まらなければ支える事ができません。
こういった観点から、当コラムでは、「利益」に着目したアプローチをお伝えし、売り上げに見あった利益を創出する方法について、お伝えして参ります。皆様よろしくお願い致します。
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【 筆者プロフィール 】
株式会社 せんだ兄弟社 代表取締役 専田 政樹 (https://kyodaisha.com)
株式会社 日本保安 店舗支援PJ担当シニアコンサルタント
7&iグループ出身、小売業歴20年の中小企業診断士
店舗運営管理、販売スタッフ教育等を経験後、グループ内事業会社へ転籍し、小売業から製造小売業への転換を目指す新商品開発部門でSV、VMD、マーケティング、プロモーション企画等を担当し、外部専門職のマネジメント業務等に従事。その後、管理部門の責任者を務め、営業利益▲3%から、1年で+0.5%に改善した実績を持つ。
「次代を担う子供たちに【明るい未来】と【豊かな社会】を託す」事を志に独立開業。2017年3月、企業の人に関する支援を行う㈱せんだ兄弟社を設立。組織人事、各種制度構築、業務改善、人材育成などを事業領域として活動中。
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